『ワールドダイスター』の12話まで見た雑感

いやー、面白かった。

正直、ゲームアプリに誘導して、課金させるために、百合アニメをテキトーなシナリオでやるアニメかと思ったけれど、想像以上にキャラクターの成長が描かれていて良かった。

そして、どのキャラクターも、演技に対して真摯で、夢に一直線に向き合っていて、眩しい。

詳しい感想を書く前に、過去に、鳳ここなと静香の関係性の考察をしたので、一応、紹介しておく。

 

 

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感想

 

まず、少し考察。

 

このアニメの中心は、明らかに、鳳ここなの人間的な成長だと思う。

 

最初は、鳳ここなは、「どの様な演技をしたらいいのか」を静香に教えてもらいに行くくらいに、決断力がなく、自分でどのような演技をするかを決めることすらできない少女として描かれている。

 

そこから変化するターニングポイントとなったのは、『アラジン』で、主役なのに、注目されていないということに気付き、受け入れつつあったところから、演技を自分から変えるように志願したシーンだろう。

 

かぐや姫』の時に、ここなは、アドリブを効かせて解決することができるぐらい能力はあって、追い詰められると自分で考えて行動することができるということがわかる。けれど、まだ、追い詰められないと決断はできないし、静香以外の人と演技について相談したりするということは、ほとんど無かった。

 

その後の『アラジン』では、新妻八恵に押し掛けられる形で、演技の擦り合わせをしていたけれど、それもまだ、受け身だった。

結局、ここなが、自分は誰にも見られていないということに気づき、静香に夢がワールドスターであることを思い出させてもらってから、演技を自発的に変えたいと思って、演出の変更まで志願した。

 

そうなると、静香の存在意義が無くなってしまう。そうなると、唯一のアイデンティティは、舞台に立てないぐらいである。

この唯一のアイデンティティに合うのが、『オペラ座の怪人』のエリックである。その感情をここなと一体化することで教えて、消えた。

 

けれど、最後に、ここなが、静香に「二人でワールドダイスターを目指す」という約束を持ち出して、存在意義にした。まるで、全てがうまくいった世界線のエリックとクリスティーヌの様な関係だ。

 

 

アニメの最後の舞台に『オペラ座の怪人』を選んだのはやばい。最後に『オペラ座の怪人』をすることを先に決めてから、鳳ここなと静香を作ったわけじゃ無いなら、アニメの終盤の風呂敷の畳み方が上手すぎる。

また、『ヒカルの碁』や『遊戯王』に似ていると言われることもあるかも知れないけれど、進藤ヒカルと藤原佐為の様な関係性とは、また違った関係で、結末も違っていて、面白かった。

アプリでも、シナリオがあったら、ここなと静香が協力して、互いに高め合うシーンが見れたらいいなと思う。

 

 

拙文最後までお読みいただきありがとうございました。