『お兄ちゃんはおしまい!』から学ぶ、”兄の育て方”と”弱者男性に対するケアの手段”
元々、自分は、あまりアニメを見てこなかった人間だけれど、見るようにした方がいいと思って、見始めたアニメの1つが、『お兄ちゃんはおしまい!』だった。
ところが、見ているうちに、自分に重なるところがあり、タイトルの内容について書きたいと思った。本編のストーリーについて、具体的には、あまり触れる気は無いので、ネタバレは、あまり無いと思う。
(注意)あまり明るい話題では無いかもしれないです。あと、自分は、何の専門家でもないので、ここに書いてある内容が学術的に正しいかどうかは、調べてすらないです。許してください。
1.あらすじ
流石に、何も説明しないのもアレなので、短く説明しておく。
引きこもりニートの兄・緒方まひろは、天才の妹・緒方みはりに性別が変わる薬を盛られ、兄だった緒方まひろは、妹として生活していくことになる。
あらすじは、以上。興味を持ったら、アニメか漫画を直接見ることをお勧めする。
2.このアニメの注目するべきポイント
このあらすじだけを聞くと、ただのTSものだと思う人もいるかもしれない。(TSものであるかという議論はあるらしいが、ここでは特に議論しないでおく。)
しかし、最も注目するべきポイントは、妹になったはずのまひろが、みはりの面倒を見るシーンが出てくるところである。兄だった時は、本当に自分の部屋からもほとんど出てこなかったのに、だ。
このシーンをそのまま受け取ると、てぇてぇだけで、現実で生きている人たちには、何にも得られるものはないが、少し曲解しつつ学びを得ようと思う。
3.「荷物を下ろすことは、荷物を下ろすことではない」という学び
このシーンから感じ取ったことは、「荷物を下ろすことは、荷物を下ろすことではない」ということ、つまり、「役割を捨て去ることで、むしろその役割を果たすことができる」ということである。
具体例として、先に、”兄の育て方”の方から説明したいと思う。
自分も、兄だったからわかるが、兄は、我慢することが多い。別のアニメだが、「長男だから、我慢できた」というセリフがあるぐらいには、だ。
妹や弟が、欲しがったら我慢しないといけないし、不機嫌になったらご機嫌取りをしないといけないし、意地悪されてもムキになってやり返してはいけないのである。
程度の違いはあれども、このようなことはあると思う。ただ、先に生まれたという理由だけでだ。能力なんてものは、関係なくだ。
しかし、人間だから、キャパオーバーになり、SOSを出す(兄らしくない行動をする)こともあるが、その時、得てして親は、「お兄ちゃんなんだから、しっかりしなさい」と言ってしまうのだ。
よく考えて欲しいが、この世の中で誰一人として、兄として生まれた人はいない。妹や弟が生まれて、急に役割が与えられるのである。
そうである以上、少なくとも、時々には、兄のガス抜きをしてあげることが必要だと思う。遊ばせるといったことではなく、兄の役割から解放してあげるということが必要なのである。
その結果、兄らしくなくなってしまうと心配するかもしれないが、兄は、精神的に元気であれば、妹や弟を見たら、兄らしく振る舞おうとするものだと思う。このアニメのように。
次に、”弱者男性のケア”の方に行きたいと思う。
こっちも同様に、男性であるというだけで、性別とは関係ない、どちらかというと性格に関係するはずの”男らしさ”という役割が与えられる。しかし、その役割をうまくこなせていないのが、弱者男性の本質だと思う。
その解決法も同じで、”男らしさ”という役割から解放することが…と言いたいところだが、現実的ではない。周りの人の意識を変えていくという意志は、素晴らしいと思うが、具体的な解決策にはならないし、そういうことを言う人に感化されていても、宗教に入ったことと大して変わらない。
解決法は、”男らしさ”から解放される場を作る、例えば、仲の良い友達を作るといったことや、熱中できる趣味に没頭することしかないと思う。
それと同時に、自分自身は、自分自身に”男らしさ”を求めないようにすることが大事だと思う。アイデンティティが崩壊する恐怖に襲われるかもしれないが、前述の通り、無意識に”男らしい”とされている行動をとっているものだから、大丈夫である。
4.まとめ
・兄を育てるうえで、”お兄ちゃんらしさ”を求めないことが、本人にとってストレス無く、”お兄ちゃんらしく”なることができるかもしれない。
・弱者男性は、”男らしさ”から逃避できる場所を見つける、あるいは作ると生きやすいかもしれない。
以上のことは、兄や弱者男性に限った話だが、それは、自分が長男だからというだけで、女性や妹・弟にも、そのまま、適用できるのかもしれないが、決めつけは良くないので、言及はしないでおく。
拙文最後までお読みいただきありがとうございました。